話を少し戻す。

あの日サトミと離れてから、俺は板倉と森君に散々馬鹿にされた。


「一緒に過ごした方が落とせる確率たけえわ!」とね。


実際に俺もサトミのアドレスを消した事を後悔した。

なんとか消したアドレスを復活させようと、携帯をいじくり回したが、ダメだった。


そりゃ携帯電話も消す前に「消去して良いですか?」って何回も聞くわ。



俺は二回位、用も無くサトミの家の駅の近くをウロつく。


だが、会えなかった。

てかさ、俺マジ馬鹿。

なんでこんな意味が分からん事をするんだよ・・・


俺は再び毎日サトミとの再会妄想を繰り広げる。

けど全く会えない。

俺は神に祈った。

一回創価の勧誘が来た時にマジで入会しようかと思った。



大学での生活はサークルを辞めた事で一人ぼっちに成ってしまう。

たまにカズミとすれ違うが、無視される。
そりゃそうだよね。


俺はね、本当に色んな物を無くしてしまったよ。


ただ一つ救いは、板倉と森君がいた事だった。


二人は散々口では馬鹿にするが、だけど友達を辞める事は無かった。
それが俺の全てで構わない、そう考えていたんだ。