ちょっと待ってよ。
…この人、さっきから何言ってるの?
「"落とすハズだった"って…?」
「ああ、キミを召喚したのは、ある人へのバースデープレゼントのためだから。とりあえず、私の屋敷へ召喚してからプレゼントしようと思っていたんだけれど……」
「…その言い方からすると、私がいま、ココにいるのはアナタのせいだと言うように聞こえますが……」
「まあ…実際に、そうだからね」
な、な、な……!!
何言っちゃってんの、このひとぉおおお!!
召喚とかなんとか、ホントに何言っちゃってるのって感じだけど、事実起こってしまっている訳だから、信じるほかない。
「ちょっと待ってよ! 何で私が!?」
「だから、キミはバースデープレゼントなんだよ。ちょっとした手違いで、贈るはずだった相手の屋敷に落ちてしまったけど…」
「バースデー…プレゼント…?」
「その上、その彼にキミ(プレゼント)が殺されかけてるのを見た時は、慌てて止めたんだよ?」
ニコニコと優しい笑顔を浮かべたまま「助かって良かった」と言った彼に、思わずお礼を言いかけて、止まった。
待て待て。
お礼を言う要素が一体ドコにあった?
聞く限りじゃ、すべてこの人のせいじゃないか!
「わ、私、帰れるんですか!?」
「え?」
縋り付くように見上げて聞いた私に、彼はキョトンとした表情を浮かべる。
え?
なに、その可愛い顔。
すっごい嫌な予感がするんだけど……。
「闇市で手に入れた召喚の書はキミを喚んだ時に、衝撃で消失してしまったから無理だと思うけど」
「は…」
「あれを買った時、『世界に1つしかない』と言われたし」
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