「ちょっとー!最近連絡くれないじゃん!なんで?」

 いや、なんで?って言われても私は知らない。
 むしろ私も隼人くんに問い詰めたい気分だよ!

……でも、この場はそんなことを言ってる場合じゃない。

 なんとか誤魔化してこの場を切り抜けないと。

「あ、ああ。最近忙しくてな」

 適当な返事をしておく。
 だって、適当なことしか言えないし。
 まさかこの場で鏡を出すわけにもいかないし。

「まさか新しい女でもできたんじゃないでしょうね?」

 いや、そんなことを言われても……体の中に女が入ってますけどね。
 新しい女とは呼ばないでしょ。

「そんなことないよぉ……ねえよ」

 隼人くんの話し方を意識しないと速攻でボロが出そうだ。
 なんとか話を切り上げないと……。

「あ、バス来たから乗るわ。また連絡する」

 強引に佐藤さんを腕から引き離しバスに乗り込む。
 まさか……一緒のバスってことないよね?
 一緒のバスだったらそれこそ逃げ道が無くなるし。