「何やってんの?」
(み、見れば分かるだろ!)
正直、見ても分からないから質問をしている。
お風呂場の椅子に座って何かしてたようだけど――?
手元に注目してやっと分かった。
――袖の辺りを必死になってこすってる。
昨晩、口を拭ったときに袖に付いた『エクトプラズム』を落とそうとしていたらしい。
「ひょっとしてさ……一晩中そうしてたの?」
半ば呆れたような口調で質問する私に隼人くんが焦りの表情を浮かべながら反論する。
(お、お前だって体が汚れてれば気になるだろうが! 何度こすっても落ちねえんだよ! これ!)
そんな焦ってる隼人くんを尻目に私が冷静に質問する。
「あのさ、隼人くんって……いつもどうやって『着替え』してるの?」
(『着替え』って……この状態だと頭の中で服を思い浮かべて――)
きっと頭の中で服を思い浮かべたのだろう。
一瞬で隼人くんの着ている服が変わった。
――便利だ。
そう思うのと同時に、私は自分の予測が当たっていた事を確認する。
隼人くんの袖口の汚れは――着替えと同時にキレイに消えていた。
(あ……)
自分の袖口を見て呆然としている隼人くん。
それをやや冷たい視線で眺める私。
『マリちゃーん! 朝ご飯できたわよー!』
リビングの方からお母さんの呼ぶ声が聞こえた。
「はーい! すぐ行くー!」
隼人くんには何も声をかけずにそのままお風呂場を出る。
背後で隼人くんが、
(お、おい! せめて何かツッコンでくれ!!――)
何か喚いていたが、どっちかといえば私にとっては朝ご飯を食べるほうが重要だから――。
(み、見れば分かるだろ!)
正直、見ても分からないから質問をしている。
お風呂場の椅子に座って何かしてたようだけど――?
手元に注目してやっと分かった。
――袖の辺りを必死になってこすってる。
昨晩、口を拭ったときに袖に付いた『エクトプラズム』を落とそうとしていたらしい。
「ひょっとしてさ……一晩中そうしてたの?」
半ば呆れたような口調で質問する私に隼人くんが焦りの表情を浮かべながら反論する。
(お、お前だって体が汚れてれば気になるだろうが! 何度こすっても落ちねえんだよ! これ!)
そんな焦ってる隼人くんを尻目に私が冷静に質問する。
「あのさ、隼人くんって……いつもどうやって『着替え』してるの?」
(『着替え』って……この状態だと頭の中で服を思い浮かべて――)
きっと頭の中で服を思い浮かべたのだろう。
一瞬で隼人くんの着ている服が変わった。
――便利だ。
そう思うのと同時に、私は自分の予測が当たっていた事を確認する。
隼人くんの袖口の汚れは――着替えと同時にキレイに消えていた。
(あ……)
自分の袖口を見て呆然としている隼人くん。
それをやや冷たい視線で眺める私。
『マリちゃーん! 朝ご飯できたわよー!』
リビングの方からお母さんの呼ぶ声が聞こえた。
「はーい! すぐ行くー!」
隼人くんには何も声をかけずにそのままお風呂場を出る。
背後で隼人くんが、
(お、おい! せめて何かツッコンでくれ!!――)
何か喚いていたが、どっちかといえば私にとっては朝ご飯を食べるほうが重要だから――。



