ちぇんじ☆

 しかし、あまり隼人くんが説教を受ける姿を楽しんでいると真里が戻ってきてしまう。
 残念なことではあるがココは一時中断してもらわないと。

「あ、カズさん。とりあえずその辺りで……真里も戻ってきちゃうし」

 私の制止は成功した。
 隼人くんを睨みつけるような表情から一転穏やかな表情に変わり私の語りかけに応える。

「お、真里ちゃん学校に行ったんじゃなかったのか。ってことはサボりか。いかんねえ。
それとマリちゃん。「さん」じゃなくて「ちゃん」て呼んでね。できれば語尾にハートマークつけて」

 は、はあ……。一応「ちゃん」付けで呼ばれるのにコダワリがあったのか。
 語尾にハートマークか……なんとか善処してみます。
 それにしても人の話を意外にちゃんと聞いてるんだな。

「わ、分かりました……カズ……ちゃん」

 とりあえず、「ちゃん」付けに関しての承諾の意思を示しておく。
 ハートマークは……もうちょっと待ってください。練習しておきますから。

「そうかぁ。真里ちゃん戻ってくるんだったらさ、俺、先に家に戻っておくわ。眠いし」

 軽く欠伸をしながらカズちゃんが私に告げる。
 うーん、そうだね。
 じゃあ、真里の現在の魂の状態については家に帰ってから教えてもらうってことで。

 そんなこんなを決めているうちに真里がこちらに小走りで戻ってくるのが見えた。
 ここで一旦カズちゃんと別れることになる。

「じゃ、ありがとうね」

 カズちゃんに軽くお礼を言っておく。
 こちらに振り向くことなく右手を上げながら改札の方向に向かっていくカズちゃん。

……あれ?どこかで見たような光景。