「――分かった、じゃあ予防しとこうね?」
そう言いながら、駅前の雑踏の中、勢いに任せて真里の肩を掴む。
「ええ!?」という声にならないような小さい声を出して体を硬直させる真里。
それに構うことなく真里の体を引き寄せる。
男子高校生と女子高生、力の差は歴然だ。
どれほど真里が抵抗してみせようと、みるみる内に二人の距離は縮まる。
「ちょ! こんな場所で何考えてるのよ!?」
(おい! 場所を考えろ!)
真里と隼人くん、両者から私に向かって非難の声が飛び出す。
それでも聞こえないフリをして行動を続ける。
お互いの顔の距離が数センチまで縮まったとき――観念したように真里が瞳を閉じた。
(もっと人気の無い場所でやってくれー!)
隼人くんの叫び声が聞こえる。
そんな声は無視して顔を近づけ――コツッ!
オデコを合わせた。
「ほえ?」
目を開いてキョトンとしている真里。
チラっと横を見ると隼人くんも呆気にとられている様子だ。
「キスしなくても、これで十分なんだってさ。頭、スッキリした?」
顔を離しながら笑顔で真里に教えてあげる。
私の言葉を受けて、自分のオデコを撫でながら「う、うん……」と少しうろたえた様子を見せる真里。
――二人とも見事に引っかかってやんの。
そう言いながら、駅前の雑踏の中、勢いに任せて真里の肩を掴む。
「ええ!?」という声にならないような小さい声を出して体を硬直させる真里。
それに構うことなく真里の体を引き寄せる。
男子高校生と女子高生、力の差は歴然だ。
どれほど真里が抵抗してみせようと、みるみる内に二人の距離は縮まる。
「ちょ! こんな場所で何考えてるのよ!?」
(おい! 場所を考えろ!)
真里と隼人くん、両者から私に向かって非難の声が飛び出す。
それでも聞こえないフリをして行動を続ける。
お互いの顔の距離が数センチまで縮まったとき――観念したように真里が瞳を閉じた。
(もっと人気の無い場所でやってくれー!)
隼人くんの叫び声が聞こえる。
そんな声は無視して顔を近づけ――コツッ!
オデコを合わせた。
「ほえ?」
目を開いてキョトンとしている真里。
チラっと横を見ると隼人くんも呆気にとられている様子だ。
「キスしなくても、これで十分なんだってさ。頭、スッキリした?」
顔を離しながら笑顔で真里に教えてあげる。
私の言葉を受けて、自分のオデコを撫でながら「う、うん……」と少しうろたえた様子を見せる真里。
――二人とも見事に引っかかってやんの。



