「――さあ、何を見てみたかったんだろうね？」

　これ以上しつこくすると怒るかな？
　そう思いながらも肝心な答えを聞くまでは止める気は無い。
　押し黙る隼人くんに携帯をチラつかせながらダメ押しをお見舞いする。

「――言わないんだったら……真里に佐藤さんとのこと、メールしちゃおうかな？」

　私の一言に小さく「ぐ……」という声を出した隼人くん。

――ここまで態度に出てるんだからさ、口で言っちゃっても同じよね。

　そんなことを考えながら携帯の開け閉めを繰り返し、暗に隼人くんを脅してみる。
　さらに怯んだ様子な隼人くん。

　なんだかちょっと楽しいなー、こんな状況も。
　私ってひょっとするとＳのケもあったりするかも。

（お前……楽しんでないか？）

　隼人くんをいじめて楽しんでいるのがバレた。
　まあ、気にしないで続けるんだけどさ。
　大体、もったいぶってなかなか話さない隼人くんが悪い！
　ハッキリした言葉で感情を表現してもらうまでは許してあげないつもりだ。