メール画面を開くと五件のメールのうち四件は真里からのメールだった。
 残り一件は佐藤さんからのメール。
 とりあえず佐藤さんからのメールは後回しにすることにして、真里のメールを開く。

 中身は四件とも別になんてことのない他愛の無いメール。
 『今家に着きました』とか『お風呂入ったよー』とかのどうでも良いような内容だ。
 最後に届いてるメールが十一時五十五分着信の『おやすみ』メール。

(早く返事を返そうぜ!)

 横で隼人くんが私を急かす。
 そんな隼人くんの言葉に耳を貸さず、続いて佐藤さんのメールを開く。
 こちらも内容はなんてこともない。
 以前のメールと同じく『早く連絡を寄こせ』という催促メール。

 冷静な気持ちで『返信』ボタンを押す。
 画面に表示されるメール入力画面。

 ポチポチ……とメールを作成して『送信』ボタンを押す。
 横で隼人くんが、

(おい、何してるんだ? え? おい! ええ!? マジで送った?)

 と慌てふためいているが気にしない。
 そのまんまベッドの上にゴロンと横になり目を閉じる。

(ちょ! バカマリ! 何考えてるんだ! おい! おいって!!)

 横で隼人くんが叫んでるけどあえて無視。
 たまには私が意地悪したって良いんじゃない?

――私が佐藤さんに送ったメールの内容。

To:みずき
Subject:Re:ちゃんとメール見てる?

ごめん、俺彼女ができた。
もう会えない。 隼人