ちぇんじ☆

「ともかく……どうしてこうなったか、よね」

囲炉裏を挟んでの緊急会議だ。
お祖父ちゃんは当事者でないため事情が良く分からないだろう。
カズちゃんは場を仕切るにはまだ幼い。
必然的に私は話を進めるしかないのだが――。

事情を知らない人が見れば囲炉裏を囲んで小学生の男の子の話を老人と女子中学生が聞いている、
そんな非常にシュールな光景が展開されてしまっている。

『どうしてこうなったか』

まるっきり心当たりがないわけでもない。
この夏休み期間中と昨夜とで違う行動を浮き上がらせれば見えてくることがある。
その行動とは――『手を繋いで寝た』ことだ。

まあ、私も文筆家を目指すはしくれだ。
この手のオカルトな事例も文章中で何度か目にしてきた。
男の子と女の子が入れ替わったり、親子で入れ替わったり。
なんというのか……『スーパー・エキセントリック・チェンジ』だったか。

まさか自分の体で体験することになろうとは思ってなかったが、
なってしまった以上は慌てても仕方ない。
前向きに元に戻る方法を模索するしかないだろう。

こうやって私が考え事をしてしまっている間もカズちゃんとお祖父ちゃんは無言のままだ。
そりゃそうだろう。こんな――非科学的なことが起こっているのだ。
まずは私なりの考えを二人に話して、それから『元に戻る方法』を模索しよう――。

――そう思って口を開きかけた矢先だった。