赤く染まる花畑の中。
 私とカズちゃんは並んで座っている。
 横でカズちゃんが何かを語りかけてくる。
 私はそれに対して頷く。

 途端にカズちゃんの顔がパァっと明るくなった。
 そして、明るい表情のまま私に抱きついてくる。
 突然のことで少し戸惑ったが――悪い気はしない。

――ううん、むしろ私も抱きつかれて嬉しい。

 抱き合ったままで――お互いの顔が少しだけ離れる。

 重なる視線。
 見つめ合う二人。
 申し合わせたように――近付く唇。

――あれ?こんな願望があったのかな?現実でもしたことなかったのに。

 ふとそんなことを思ったが、すぐに『夢だからいいか……』と思い直す。
 そして、そのまま私とカズちゃんは唇を重ねた――ところで目が覚めた。