ちぇんじ☆

「明日……帰っちゃうんだね」

 板の間の上に並んで敷かれた布団。
 真ん中にカズちゃん。
 その右隣にお祖父ちゃん、左隣に私が寝ている。
 その布団に潜り込みながら、カズちゃんが寂しそうに呟いた。

「――うん」

 私もカズちゃんと同様の寂しさを感じながらも、カズちゃんの言葉を肯定するしかできない。

「また……遊びにくるから……ね?」

 自分の肯定の後に続く沈黙に耐えれる自信が無く、ありがちな言葉を誤魔化すように続ける。
 しかし、そんな言葉もカズちゃんの寂しさを埋めるには足りず、
 その場は耐え難い沈黙に支配されることとなった。

 暗闇の中、流れる重たい空気。
 互いに無言のままになってしまった私とカズちゃん。
 緊迫したようなこの空間で聞こえてくるのは――お祖父ちゃんのイビキだけだった。