お祖父ちゃんは……老人じゃない。
 きっと違う、超人とか強化人間とかサイボーグとか。
 きっとそういう類の人だ。

 だって、私が片道で五時間かかった道をだよ……たった二時間で往復して帰ってきた。
 しかも、しかもだ。
 帰ってきたときに発した、

「いや~、久しぶりなんでついつい長話してもうたわい」

 この言葉は私が家に帰った後にママから聞いた

『歳平のお祖父ちゃん相変わらずね~、一時間も話し込んじゃったわ』

 という言葉によって真実であることが後ほど証明され、私が開いた口が塞がらなくなってしまったのだが、それはまた別の話。

 夏休みの宿題はキチンとやっておくこと、コレを条件に何日でも滞在してきても良い。
 ママが言ったのはそういう話だったそうだ。
 まあ、この辺は問題なかった。
 カズちゃんの所へ向かう前に大半の宿題は片付けてきてあるし。

 お祖父ちゃんもカズちゃんの相手をしてくれる人が居れば助かる、ということで
 夏休み中はここで生活しないか?としきりに勧めてくれた。

 カズちゃんも子犬のような眼差しで私に訴えかけてきている……この視線には弱い!

――本当に夏休みの間ここでカズちゃんと暮らそうかな?