とりあえずは隼人くんの話を聞かないと何も進展が無い。
 私たちは話を聞く体勢に入る。
 私がベッドに腰掛けて、念のためにってことで真里は床の上に座る。

――用心しなくても襲わないって。

 この部屋だと全面鏡になってるおかげで隼人くんの全身が見えている、のでどこに座っても私の目から隼人くんは見えている。
 やっぱりというか何というか真里の目には隼人くんは見えていない様子。
 当然ながら隼人くんの声も聞こえていない。

(さて、落ち着いたみたいだし。話をしようか)

 真里が横に居てくれるおかげかさっきよりは冷静に隼人くんを見ることができている。
 隼人くんが話すことは私がもう一度口に出して真里に伝える。
 私が一人で聞くより何かしら謎を解くきっかけになると思うからだ。
 隼人くんにも了解をとってある。

(同じ思考の人間が聞いても結果は変わらないと思うけどね)

 まあ、そうだけどさ……それでも何か思いつくかもしれないじゃん?