真里と私に対する態度の違い、その理由が気になる。
 隼人くんが優しいことは重々知っている。
 だが、優しさだけでは出てこないであろう言動の数々。
 
 思い返せば、真里のいる場所でも荒っぽい言動は確かにあった。
 だが、それは――真里に見えていないときの話なのだ。
 真里から姿が見えるようになり、声が聞こえるようになったと分かった時から、明らかに隼人くんの言動が変貌した。

 真里に対しては自分を装っているような、良く見せようとしているような。

――現に真里がトイレに行ってこの場にいない現在、隼人くんの態度はいつも通りのものに戻っているし。

 聞かなきゃ、知りたい……隼人くんの本当の気持ち。
『真里のこと好きなの?』
 この短い一言を隼人くんに言えば、その気持ちが分かるのだ。