(……きろ……り……おき…… 起きろ! バカマリ!!)

 耳元で響いた大声で飛び起きた。

――な!なに!?何が起こったの?火星人が攻めてきた!?

 状況を把握できない。
 そりゃそうだろう、前日の疲れにより眠った後は完全な熟睡状態に入っていたんだから。
 泥のように眠っていた、そんな表現が相応しいほどの眠りっぷりだったに違いない。

 寝ぼけ眼をこすって、体を伸ばす。
 それから周囲をキョロキョロ見回す。
 窓の外はすでに朝陽に照らされて明るくなっていた。
 時刻は八時、けっこうしっかり眠れたようだ。
 昨日、あれほど歩いたにも関わらず筋肉痛にはなっていない。

――でも、さっきの声は?

 まだ、少しボーっとする頭にふと浮かんだ。

――隼人くんの声だったよね?