-うだるような真夏のある日-


『スパッ』


「うわー!!」


観客がわく


観客席をいっぱいにした体育館でバスケットの試合が行われていた

「あと1点、1点で優勝だ…」


さきほどシュートを決めた男の子が呟く


その目には、
尋常でない勝利への執念


時計はあと11秒をさしている


『バシッ』


スティールしたボールを拾い、一気にコートを駆け抜ける


「ハルっ、いけぇ!!」


「これで終りだ!!」

『ハル』と呼ばれた少年がステップをふんだ瞬間…


「うっ…」



















「うわーっ!!」


『ガバッ』


「ハァハァ…」


変な夢見ちまった…


「ったく、今日入学式だぞ?」


オレ?オレは篠山春


んで今日は高校の入学式だ


「んっ」


ワクワクする気持ちと春の優しい光が気持ち良くて伸びをする


「どんな子がいんのかな?」


オレは訳あって誰にも秘密で高校受験したから知り合いがいるかも分からない


別に人気ない普通の進学校だからたぶん誰もいないな…


「ハァ…」


ダメだ、ダメ


きっと楽しいって!!