私がしばらく見ていると私の目線に気がついたのか、“何?”という顔をしながら私を見てきた。
一瞬だけ、目が合ったけど気付かぬふりをしてまた外に目線をはずした。
「よろしくな!享弥」
目の前に座った男子が、後ろを向いて私の隣に座っている男子にそう言った。
“波木 享弥”
私の隣に座った男子の名前。
今まで同じ学校だったのに、私はこの名前をあまり耳にしてこなかった気がする。
「あぁー…よろしく…」
ニコニコと笑いながら言う男子と違って享弥は表情を変えることもなく返事を返した。
私は聞いてないふりをして、外を見ていた。
でも、男子の一言で私の目線は外からはずれた。
「お前ら仲悪いの?」
二人を見て何か思ったのか、突然聞いてきた。
「え…?」
よく解らなくて、というより聞こえなくてもう一度聞き返した。
「だから二人共仲悪いの?」
享弥は一度男子を見るけど“そんな事か…”という顔をして先生を見ている。
私は何も言えなくて、話す男子を見るだけ。
「別に…」
小さな声で、享弥が答えた。
でも目線はずっと先生。
「ヘ?なんて言ったの?」
男子には聞こえてなかったらしい。
でも、私には聞こえた。
だから私も、つい言ってしまったんだ…
「話す事なんかないし!」
私の言葉に男子は笑いながら、
「お前らやっぱり仲悪いのな!」
って…。
その言葉がすごく“イライラ”してまた私は外を見た。
この時の私は素直でなければ可愛くもなかった。
素直になったら、何かが変わってしまいそうで怖かった…。
でも、今になって思うんだ。
この時から、私の“恋”は始まっていた。
これが、始まり…。
一瞬だけ、目が合ったけど気付かぬふりをしてまた外に目線をはずした。
「よろしくな!享弥」
目の前に座った男子が、後ろを向いて私の隣に座っている男子にそう言った。
“波木 享弥”
私の隣に座った男子の名前。
今まで同じ学校だったのに、私はこの名前をあまり耳にしてこなかった気がする。
「あぁー…よろしく…」
ニコニコと笑いながら言う男子と違って享弥は表情を変えることもなく返事を返した。
私は聞いてないふりをして、外を見ていた。
でも、男子の一言で私の目線は外からはずれた。
「お前ら仲悪いの?」
二人を見て何か思ったのか、突然聞いてきた。
「え…?」
よく解らなくて、というより聞こえなくてもう一度聞き返した。
「だから二人共仲悪いの?」
享弥は一度男子を見るけど“そんな事か…”という顔をして先生を見ている。
私は何も言えなくて、話す男子を見るだけ。
「別に…」
小さな声で、享弥が答えた。
でも目線はずっと先生。
「ヘ?なんて言ったの?」
男子には聞こえてなかったらしい。
でも、私には聞こえた。
だから私も、つい言ってしまったんだ…
「話す事なんかないし!」
私の言葉に男子は笑いながら、
「お前らやっぱり仲悪いのな!」
って…。
その言葉がすごく“イライラ”してまた私は外を見た。
この時の私は素直でなければ可愛くもなかった。
素直になったら、何かが変わってしまいそうで怖かった…。
でも、今になって思うんだ。
この時から、私の“恋”は始まっていた。
これが、始まり…。