ある日の放課後、一哉の家に行き、それと無く聞いてみた。


「一哉、昼休みいつも何処行ってんの?」

「女子更衣室」

「はぁ!?…お前、告ったんか?」

「いや?女子更衣室の裏に、密閉された小さいスペースがあるんだよ。昔使ってたシャワールームなんだけど、そこでタバコ吸ってる。うちって男性教師しか居ねぇじゃん?女子更衣室の掃除をやる奴が居なくて、和華と藍子が毎日掃除してるんだ。今使ってるシャワールームの排水口が詰まり易いんだって」

「…それって、ヤバいんじゃね?」

「教師達は喜んでるらしいよ?『大久保と菊池が居る間は業者呼ばなくて済む』って。アイツら優等生だしな。裏は不良だけど…。あ、みんなには黙っててな?あんまり人数来るとバレるから」

「…人志にバレないようにな?アイツ口軽いから…。つうか、二人きりになったりしないだろ?」

「するよ。窪塚が気利かせて、大久保誘い出してくれてる」

「マジかよ…」

「ああ。マジだ」

小さく返事をした後、一哉はタバコに火を点けた。



なんとなく予想はしてた。

一哉と和華が一緒に居る事も、二人きりになっている事も…