ため息ばかりの日々が過ぎ、気が付けばあっと言う間に高校3年。


和華への思いは変らないけど、諦めに近い心境になっていた。

原因は3つある。


1つは相変わらず緊張して何も出来ない自分の臆病さ。


もう1つは変態じみた若林の行動。

座っている和華に抱き付く振りをしたり、長い黒髪の匂いを嗅いだり…

和華は何も気付いて居なさそうだけど、大久保は和華と話しながら必死で笑いを堪えていた。


もう1つは一哉の行動。

昼休みになると、一哉は窪塚と二人でフラッと何処かに消えていた。

教室には大久保の姿も、和華の姿も無い。


昼休みに消える事は、日を追うごとに頻繁になり、中間テストを終えた頃には毎日消えるようになっていた。