「桜の花も満開の春。
この青宝学園で今日というめでたい日を迎えられたことを、私たちは何より喜ばしいことと思っています。
優秀な先生方の温かくご親切な指導のもと、勉学に励み、部活動に勤しみ、友情を深め、健全な高校生活を送りたいと思います。
平成22年4月7日。
新入生代表、高宮春菜」


拍手の大きさからして、素晴らしいスピーチだったのだろうと思う。

しかし、その内容は俺の耳には全く入ってこなかった。



気に入らねぇ。

ますます気に入らねぇ。


凛としたよく通る声。

高宮春菜はその声までもが完璧だった。



たとえまぐれでも俺に並ぶなんで許せねぇ。

落としてやる。

絶対に俺の足元に跪かせてやる。


そして俺はニヤリと笑った。


高宮春菜。

俺が暇潰しにやっていた“恋愛ゲーム”


次のターゲットはお前だ。