「どうした、西遠寺?」 俺の怪訝な顔つきが癇に障ったのか、それとも俺の美貌に嫉妬したのか、不機嫌も顕に刺々しい声で司会の男(推定3学年代表)が訊ねてくる。 俺様を呼び捨てにするな。 たかだか数年早く生まれたからって偉そうにしてんじゃねーよ。 つーか今、それどころじゃねーんだけど!! 『すみません。 今の言葉、聞き取れなかったのでもう一度言っていただけますか?』 内心の苛立ちとは間逆の笑みを浮かべてみせる。 しかし、次に男が発した言葉は、俺の笑みを掻き消して余りあるものだった。