加納欄の誘拐 シリーズ21

高遠先輩(>_<)!


あたしだって、何かしたいですよ!!


「もう少し、待ってろ。まだ犯人の動きが掴めない」

あたしの心を、見透かしたように、高遠先輩が言った。

そこに、鮎川さんが、走ってきた。

「わかったぞ高遠!」

その言葉を聞いて、高遠先輩は、待ってましたとばかりに、鮎川さんをみた。

幾重にも、重なり合わせた犯人の音声は、鮎川さんの解析の結果、声紋がわかったのだ。

「電話の声は、男だ。しかも、話し方、語尾を多少上げる口調からして、10代から30代前半の可能性が、高い」

「10代?」

「あぁ、犯人は、未成年の可能性も考えられる。そして、音声と一緒に、この声も入っていた」

と、言って、鮎川さんは、テープを再生してくれた。

「ホズミカラレンラクアッタァ?」

若い女の子の声だった。

少し高めの声。

確かに、未成年と感じさせられる話し方と音声だった。


未成年が、誘拐?!


まさか?


未成年が、なんで課長を狙って、誘拐したの?


なんで、大山先輩を、名指しで指名したの?


2人を、知ってるってことだよねぇ?


「鮎川さん、前歴は?」

高遠先輩が、前科者リストを聞くと、鮎川さんは、首を左右に振った。

「声紋には、ヒットしなかった」

「…………」


過去に、繋がりがないってことだよね。


何が、どうしたら、誘拐なんてこと考えられるの?


しかも、警察管の課長を(*_*)


「鮎川さん、引き続き、解読と、ホズミってのをあらってください」

「わかった」

そう言って、鮎川さんは、また部屋を出て行った。

高遠先輩が、マイクで、大山先輩の覆面車に報告をした。

「仁、犯人は、未成年の可能性も考えて行動しろよ」

「未成年〜?なんだよ。ガキかよ」

「可能性だ。後、どれくらいで着く?」

「10分後には着くな。なんとか間に合いそうだ。欄、金どうなってるんだ?」

大山先輩に、質問されて、あたしは、慌てて説明をした。

「頭だけ札をのせてあるだけです。発信機は、バックの底と、札をのせた奴に挟んであります。札は、全部で5枚のみです」