加納欄の誘拐 シリーズ21

そして、ためらうことなく、あたしも、大山先輩も瞳を閉じて、口づけを交わした。

大山先輩の唇が離れると、あたしは急激に恥ずかしくなり、顔が上げられなくなった。

「欄、どうしたんだよ」

「あ、いえ。私たち、別れちゃったのに、キス、しちゃったなぁ〜って」

「ばぁか。そんなくだらない」

「くだらないって!くだらなくなんかないですよ!大切なことです!」

「へいへい」

大山先輩の口調が、いつもの口調に戻っていた。

「あんまり、ムリすんなよ」

「え?あ、はい」

「心配させんなよ」

「はい。すみません」

「側にいろよ」

「はい、えっ?」

「もう一度、俺の側にいろ……お、俺と、付き合ってくれ」


!!!!!!


あたしは、フラフラと後ずさりし、壁に激突し、ズルズル〜っと、崩れ落ちた。

「お、おい!?」

大山先輩は、慌てて駆け寄って来た。

あたしの瞳から、涙が溢れでていた。

「大山、先輩……」

あたしは、大山先輩に飛びついた。

大山先輩は、あたしを受け止めると、そのまま床に倒れた。

大山先輩の上になったあたしは、大山先輩を見つめた。

大山先輩は、短くなった、あたしの髪に触れた。

「もう、ムチャするなよ。俺の許可ない囮は禁止だからな」

大山先輩に、禁止令を出された。


やっぱり、囮になったのバレテましたね(@_@)


誤ろうとしたら、大山先輩が。

「態度で示してもらいたいもんだね」

と、ソッポを向いた。


(>_<)


あたしは、大山先輩を見つめると。

「お、大山先輩?」

と、呼んだ。

大山先輩は、振り向いてはくれなかった。


(-.-;)


「大山先輩?」

「仕事上では先輩だけど、デートの時に先輩って言われたら、ムードもなにもないよなぁ」


え?


「大山…………さ、ん?」

「ん〜、イマイチ」


イマイチって、自分の名前じゃん(>_<)


だって!


他に呼び名って。


「あ、じ……じんさん」


恥ずかし〜(>_<)


言いなれないこと、言わせないでぇ!!