加納欄の誘拐 シリーズ21

報告しなくていいことを、報告している気がした。

報告しないといけないことが、ちゃんとあるのに。

でも、緊張の糸が切れたみたいで、高遠先輩の顔をみたら、恐怖心ってのがきて、涙が出てきた。

「キスって、お前、何されたんだよ!髪の毛も」

高遠先輩の口から、キス、という言葉を聞いて、我にかえった。

「俺が行ってくる」

高遠先輩は、あたしを車に残して、保住組に向かおうとした。

「ま、待って!違っ!大丈夫ですっ!」

「何が、大丈夫なんだ!こんな姿になってるんだぞ!」

「違っ!大丈夫なんです!本当に!あの、あの……あ、そうだ!高遠先輩!これ!犯人の家の住所!」

「なんだって!?やっぱり保住組が、からんでるのか?それ聞き出すために、こんな目にあったのか?!」

「違います!今回は、保住組は、関係ないんです!組長さんが、親切に教えてくれたんです!私はいいから早く皆に伝えて!」

あたしは、叫んでいた。

高遠先輩は、何か言いたげだったけど、とりあえず、メモの内容を、無線で全車に報告をした。

「欄乗れ!話しは、終わってからだ」

「……はい」

メモの住所は、今からだと30分はかかりそうだった。

暴力団に断られた犯人が、課長をどうしようとしてるのか、検討がつかなかった。

違う暴力団に話しを振ったのか。

最悪なことになっているのか。

頭の中がグルグルしていて、考えられなかった。

20分たったくらいに、南署から連絡が入った。

「南署より各移動。南署より各移動。松田課長の身柄を確保したとの連絡が入りました。松田課長の身柄確保。一緒に、犯人と見られる男女も逮捕したもよう」

高遠先輩が急ブレーキをかけた。


はぁぁぁぁ(__)


よかったぁぁ(>_<)


「305了解。至急、署に戻る。課長の容態は?」

「精神的な疲労も考慮して病院へ搬送しました。見た感じは、心配ないとの報告です」

「誰の見た目?」

「大山さんです」


ドキッ!


バカッ(>_<)


素直すぎるぞ!心臓!


「……とりあえずは、一段落ついたか」

高遠先輩は、また運転を始めた。

「はぁ」