加納欄の誘拐 シリーズ21

鳴った?


いま。


あたしは、園田さんをみた。


園田さんは、首をすくめ、もう一度鳴らしてみた。

…………。


壊れてんじゃん!!


ムカついて、勢いよく、扉を開けてしまった。

ちょうど、出て来ようとしていた、若い衆とぶつかりそうになった。

「な、なんだぁ?お前ら何者だよ。ここが保住組の事務所なのわかって来たのか!!」

凄まれたけど、わかって来たから、怖くはなかった。

「あの……」

「ど〜した?うるせぇぞ」

中から、ワラワラと、若い衆の声を聞き付けて、更に人数が増えた。

「なんだぁ?こいつら」

周りを囲まれ、あたしは、愛想笑いした。

「ちょっとぉ……お聞きしたいことがぁ」

あたしの満面の笑みで若い衆の1人が、前に進みでた。

「なんだよ。仕事でも紹介してもらいてぇのか?」

「仕事はしてるんでぇ。人探しなんですけどぉ」

「人探しだぁ?間違えてねぇかぁ?警察行け、警察」


警察から来てるんだけどねぇ(-.-)


「お兄さん達なら、知ってるかなぁと思って来たんだけど……」

あたしは、わざとらしく芝居がかって、少しづつワナを張っていくことにした。

すると、1人の若い衆が。

「コイツ……刑事だ」

と、言った。


ドキィィッ!!


あたしは、目線を泳がせる。


もぉ少し後で、バレたかったなぁ(-.-;)


あたし、そんなに有名人?


刑事と見抜いた若い衆が、あたしの前に歩いてきた。


ん〜。


ごまかそうかなぁ。


ど〜しよ〜かなぁ。


すると、若い衆は、あたしの前を過ぎると、園田さんの前で、止まった。


え??


「コイツ、刑事だ。見たことある。なぁ?」

と、言って、園田さんの胸ぐらを掴んだ。


え、えぇ〜〜(@_@)?


「ウ、ウソォ〜。刑事だったのぉ?」

便乗してみた。

「あたしにウソついて近づいたんだ!」

あたしは、若い衆の後ろに隠れた。

「え?ちょっと!加納さん!!」

「加納さんなんて、馴れ馴れしく呼ばないで!嘘つき!」