「ねぇ、大河?私の前でもポーカーフェイスになってよ」
…ゴメンな、花穂里。
グサッと来ちゃうかも知れねぇけど
「それは無理」
これが俺の答えなんだよ。
本当は俺だって、こんな事言いたくない。
大好きな花穂里が望むなら、そうしてやりたい。…けど。
お前が俺のポーカーフェイスを崩すわけだから、それは無理なんだよ。
「ぶぅ~!!どうして?私のこと…き…らい?」
一瞬怒ったかと思えば、すぐに涙目。
大体予想は出来てたけど。
本当にやられると参るよなぁ…。
嫌いじゃないって。
好きだよって言ってやりたい。
…けど。
今はそんな言葉を言っても、この問題は解決しないと思う。
また何も言えずにボーッとしていた俺。
そこに、花穂里の口から聞きたくなかった言葉。
「ごっ、めんね…。本当、は、うざいって…分かってる、けど…っ。でもっ…不っ、安で…っ」

