――「…で?どうしたんだ花穂里??」



急いで学校を出た後。
…今は近くの公園にいる。

近くと言ったって、ほぼ裏道のようなもので、生徒はもちろん、人すら通らない。

そんな地味で小さな公園にいる。


さっきまで涙を我慢していた彼女は、俺が優しい言葉をかけると同時に、静かに涙を流した。



「…さっき……返、事…そっけなか、、た…」



下を向いて、小さく答えた花穂里。
その答えに、俺は笑いそうになった。


……簡単に言えば、寂しかった、と。
俺が「……そ」で返したから、嫌われたんじゃないかと。


どんだけ可愛いんだよ、コイツは。



「ゴメンな?花穂里。俺はお前に愛想つかしたわけじゃない。ただ、学校でポーカーフェイスが崩れないようにしてただけだよ」

「……大河って、ポーカーフェイス、なの?」



小さく首を傾げて、可愛く聞く。
その目には、まだ涙が残っていて、それが光に反射してキレイだった。


…つーか。
コイツ、俺がポーカーフェイスだったこと知らなかったのか?