何が好きで、女子校になんか通ってるのか自分でも分からない…


浮いてる。


私だけ、確実に。


「落合先輩ッッ…!!」


下駄箱で携帯を開いていたら、後ろから声をかけられた。


立っていたのは体の小柄な、シロネズミみたいな女の子。


スリッパの色から、一年だろう。


「何?」


靴を履き替えながら問い返す。


こんな事には慣れている。


自分は女で、その女が女嫌いで、なのに女によくモテる。


バレンタインなんかは大したものだ。


下駄箱からプレゼントの雪崩が起きる。


「あの…あの…先輩、携帯電話の番号…」

「ゴメン、みんな断ってる」


踵の完全に潰れたローファーの、無い踵を鳴らして女の子の懇願を断ち切った。