裏切り恋愛

いきなり大声でそう言われて、実由は怖くなった。
キッとこちらを睨む圭斗は、怒りに震えていた。

「……帰れ」
「はい……」

実由はもと来た道を引き返した。
とぼとぼ歩く実由を後ろから見つめる圭斗。

「……んでだよ……っ!」

小さな声でそう呟き、圭斗は地面に座り込んで拳を地面にぶつけた。




「ただいまぁ……」

シーンと静まり返る家。

今日も誰もいないのか……。

そんなことを考えながらケータイを開く。
慎吾からのメールがあった。

【今日はなんかゴメンな!俺悪いことしたなー】

慎吾……。
悪くないよ、慎吾は。
悪いのは、あたしなんだ。

実由はケータイを握り締めた。

「あたしが、悪いんだ……」

頬に涙が伝った気がした。