裏切り恋愛




――「はぁ……はぁ……」

ここは……学校から十五分程走ったところにある川原。

「もぉ!なんでサボるかなー」

実由は息切れながらに慎吾に聞いた。
慎吾は、深く深呼吸しながら、

「だって、実由チャン悲しそうな顔してたし」

と素っ気なく答えた。

あたしが、悲しそうな顔?
やだ……そんな顔してたっけ。

実由は両手で頬を覆う。

「あたし、そんな……顔してな」
「してたよ」

慎吾は、実由の言葉を遮った。
いつもより、というか昨日初めて見た時から一度も、こんな真剣そうな慎吾の顔なんて、見たことが無い。

「慎、吾……?」

実由は少し強張って聞いた。

「ん?それよりさ!この川原、よくね?」
「えっ?あぁ、うん……」

実由は話を変えられて納得がいかなさそうな顔つきで、あたりを見回した。