裏切り恋愛

「えー!ずるい実由だけっ!」
「あたしの方がカワイイのに!」

そんな声が聞こえて、女子達はゾロゾロと帰っていく。

「ごめん、実由チャン」

慎吾は申し訳なさそうに笑った。

「え?いいよ、あたしは」

実由は手を振った。
その拍子に向こうにいる圭斗が見える。
圭斗もまた、慎吾と同じように女子に囲まれていた。

「ねぇ、圭斗くん、今日空いてるのー?」
「今日?今日は部活だな」
「じゃあ後からは??」
「ん?遊びたいの?」

圭斗はたくさんの女子を前に悪ノリしている。

『キャー!!遊びたぁーい!!』

女子がキーキー叫んでいる。

ズキン……

実由の胸に何かが突き刺さるような感覚が走る。

圭斗……。
昔は女の子なんか、見てなかったのに……。
あの日から圭斗、女好きになってる……。
あたし以外の女の子には、あんなにカッコイイ笑顔を向けて……ずるい。