「ったく、相変わらずだな和泉は。そんなことじゃいつまでたっても女の子にモテねーぞ?」

「モテてたまるか」

モカだけでいい。俺のことを好きでいてくれるのは。今までどんだけ鬱陶しい目にあってきたか。



「さっすが和泉!俺もそんなセリフ言ってみたい」

「……よく言うぜ」


兄貴は救いようのない、最低の女たらしだ。まさに、来るもの拒まず。

女の子には優しくをモットーにしている根っからの優男のため、昔から半端なく女が寄って来る。


見た目だけは俺と兄貴はよく似ているが、性格は正反対だ。


兄貴はその容姿を惜しみなく活用し、ショーモデルとして様々な舞台で活躍している。俺と違い、華やかな場所が大好きだ。そのため、親父の会社も継ぐ気がないらしい。