続・特等席はアナタの隣。

「いいの?行っちゃっても」

「ああ。あいつ、入学当初からウルサイんだ。他の奴らもだけど」

「そう…。でも、サッカーやめちゃって本当によかったの?」

「元々始めたのだって裕太にムリヤリ付き合わされたからだし。本当は趣味程度に好きなだけだ」

趣味程度って…。それでよく全国大会に行けたよね…。しかも主将で。
和泉君、あなたって人はどこまで凄いんですか…。


「モカがまたサッカーしてほしいって言うなら、やるけど?」

「いやいや!言えないよそんなこと!」

和泉君は、サークルや部活動など何も所属していない。というのも、大学生になってからお父さんの会社を社会勉強だと手伝っているので、そんな時間がないからだ。

大学の講義が終われば、そのまま会社へ行くことが多い。

私と違って、とても多忙だ。