続・特等席はアナタの隣。

「っておい!俺を無視すんなよ!!」

もちろん後藤君は見逃すはずもなく…。
和泉君が振り返って面倒くさそうに言い放った。


「後藤…。悪いけど、忙しくてそんな時間ないんだ」

「そこを何とか!頼むよ~!ね?ね?」


すがり付くように和泉君に懇願していた後藤君が、今度は私に向いた。


「ほら、彼女も黒崎がサッカーする姿、もう一度見たいだろ?」

「え?私?」


まぁ…和泉君がサッカーをする姿は確かに格好いいとは思うけど…。でも、和泉君が本当に忙しいのは知ってるし…。


う~ん…と考えていると、和泉君が「いいから行こう」と再び私の手を引いた。

「おい!黒崎!!俺はまだ諦めてねえからな!!」

後ろから後藤君の雄叫びが聞こえているけど、和泉君はただ面倒くさそうにしているだけだった。