続・特等席はアナタの隣。

店の中に入っても先客などはおらず、やはり二人だけだった。


ということは、モカの話だな…。

やっぱり、モカの様子がおかしいこと亮さんも気付いてんのか…。



ウエイトレスがニコニコと俺たちを見ながら注文を取りに来たが、亮さんは「コーヒー、二つ」と冷たく言い放っただけですぐ俺に向いた。


……機嫌わりぃな…これは…。


黙って亮さんの顔を見ると、亮さんも俺をジロッと睨みながら口を開いた。


「てめぇ、モカに何した」

「……何も」

……それは事実だし。

俺や、俺の周りのことでモカは悩んでいるみたいだが、俺自身は何もしてないつもりだ。