続・特等席はアナタの隣。

結局講義なんて一切集中することができず、夕方一人で大学をあとにした。


モカに一緒に帰ろうと連絡しようと思ったけど、もう帰っているかもしれないのでやめた。


たぶん、今日はモカはバイトがある日だ。

俺のことだから、幼稚な嫉妬のせいでいろいろ注意して、またモカを困らせてしまうだろう。


情けねえな…と気落ちしながら帰っていると、突然後ろからガシッと肩を掴まれた。


「よお。顔だけ男」


その悪意に満ちた言葉に嫌々後ろを振り向くと、そこにはモカの兄貴、亮さんがいた。