続・特等席はアナタの隣。

「触るな」

その衝動でよろけている後藤君を睨みつけながら、底冷えするような恐ろしい声で言い放った。

い、和泉君も怖いよっ!!


しかし、後藤君はそんな和泉君などおかまいなしな様子で再び私に向いた。


「君からも黒崎を説得してくれよ!!」

「えぇ!?」

説得!?


いや、いくらなんでも彼女としてそんなことは説得できない!!


「あなたの気持ちも分かるけど…。私も和泉君だけは譲れないってゆーか…!!」

な、なんて答えればいいの~!?

必死でどうにか答えていると、目の前の後藤君はポカンと顔をしながら「……譲れない?」と呟いた。