続・特等席はアナタの隣。

「モカ」

名前を呼ばれて「ん?」と顔を上げると、何の前触れもないまま、突然和泉君は私の唇を塞いだ。


「…んんっ!!」

ビックリして思わず和泉君の胸をどんどんと押すと、和泉君はゆっくりと唇を離して私をギュウっと抱き締めた。

「い、和泉君っ!?」

な、何なの突然!?
いつも強引だけど、今のは不意打ちすぎる!!

ビックリしたまま固まっていると、和泉君は私を抱き締めたまま苦しげに呟いた。


「あまり、考え込むな。不安になったらすぐ俺に言え」


……やっぱり、和泉君にはお見通しだ。私の不安な感情をすぐに読み取ってしまう。


「うん…」

と小さく返した。