続・特等席はアナタの隣。

そして、最初から最後まで一切講義は聞かないままチャイムが終わりの合図を知らせた。

「よし、行くぞ」

全然使わなかった教科書やノートをテキパキとしまいながら、和泉君は私の鞄を持って立ち上がった。


ほら、と私の手をとり立ち上がらせ、チャイムが鳴り終わる前に足早にこの教室から出て行く。

おそらく、キャーキャーと騒がれる前にこの場から去りたいんだと思う。



しっかりと手を握られたまま和泉君に引きずるように連れられ、普段は学生はあまり使わないエレベーターに入った。