続・特等席はアナタの隣。

「ところでさ、モカ」

いまだ机に突っ伏している私に和泉君が話し掛けてきた。

「なぁに?」

のそのそと身体を起き上がらせると、和泉君はまたニコリと微笑んだ。


「今日これで終わりだろ?一緒に帰るぞ」

「え………一緒に?」

「何だよその間は」


ぎくっと身体が跳ねた。

す、鋭いっ…!!


固まっている私を和泉君はじーっと睨んでくる。

一緒に歩くと周りの視線が痛いんです…とは言えない。

私が周りを気にすると、いつも和泉君は怒る。


「な、何でもないよ!」

慌ててニコッと笑顔を向けるけど、たぶんその顔は引き攣っているのか、和泉君は疑いの眼差しのままだった。