続・特等席はアナタの隣。

やっぱり、嫌なことがあったんだ…。どうりで様子がおかしいはずだ。


公園の中を歩く間、和泉君は無言だった。

夜の公園は人がほとんどいなくて、とても静か。少し歩いたあと、目に入ったベンチに2人で座った。


「ごめんね…。嫌なことがあったっていうのに、くだらないことで電話しちゃって…。仕事、邪魔しちゃったでしょ?」

「モカ、勘違いしてるようだけど、モカからの電話を邪魔だなんて思わない。嬉しいから」

「そ、そう…?」

「ああ。今日だって、実はずっと待ってた。俺、連絡しなかったろ?」

「え!?わざと連絡くれなかったの!?何でそんな試すようなことを…」



「何でだろうな…」

そう言った和泉君は、フッと切なげに笑った。