続・特等席はアナタの隣。

それからしばらくすると、和泉君から、家の前に着いたという連絡が入った。

ずい分早いなと思ったら、仕事の手伝いが終わってそのままタクシーで来たそうだ。

急いで玄関を出ると、和泉君は俯き加減で塀に寄りかかって待っている。


「お待たせ、和泉君……」

…ってスーツ着てるし!!

そうか!!仕事終わりだからか!!


なんか普段よりもさらに大人っぽくてカッコいい…。


その眩しさにフラ〜と倒れそうになっていると、和泉君がこちらに近付いてきた。


「モカ…」

見惚れている私の様子なんて気付いてなく、和泉君は私の腕を引き寄せてギュッと抱き締めた。