続・特等席はアナタの隣。

重い…。

結局、タクシーで帰ることは許されなかった。かつぎながら歩いて帰っている。



「いやぁ!それからこの前なんて俺の誕生日にケーキ焼いてくれて!」

さっきから亮さんは、相手は俺だということをもはや忘れているのか、上機嫌にモカの自慢話を続けている。


「へぇ…よかったっスね…」

「だろ!他にもなぁー…」


終わることのないモカの話にだんだん腹が立ってくる。

兄貴にまで嫉妬するなんて情けないが、このシスコンぶりは穏やかになれない。


イライラしつつも我慢して聞いていると、人通りの多い交差点でとてもよく知った、そして、誰よりも愛しい女の子の姿が目に入った。