続・特等席はアナタの隣。

「お前モカが泣く姿見たことねえのか!?」

「いや、ありますけど…」

潤んだ目で見つめられると確かにたまんねえけど、泣かれてしまうと焦ってしまうだけで可愛いと思う余裕なんてない。


「ちょっとイタズラすると真っ赤な顔してハラハラ悔しそうに泣くんだぜ!ありゃ最高に可愛いな!!」

「……へ?」

「子どもの頃なんか、大切にとっておいたプリンを奪っただけでビービー泣き喚いて!最近じゃお前に作った弁当こっそり奪って食ったらギャンギャン怒って泣いたし!!」

「………」

「いやぁ〜あれも可愛かったな!」

そう言って亮さんはガハガハと豪快に笑った。


……なんか、ただのドSな兄貴じゃねえか…。

モカ…可哀想に…。