〜・〜・〜・〜・〜・〜
駅
凜が寮に行く日、
私は凜の見送りに来ていた。
『じゃぁな。灯梨』
『凜…ホントに
行っちゃうの…?』
『……うん…』
『いっ…行かないでよ…』
泣きじゃくる私の
頭を凜は優しく撫でた。
『灯梨…泣くなよ…。』
『だって…凜ともう…』
『また来年会えるだろ?
それに、寮制だからって
一生会えないわけじゃ
ないんだし。一年なんて
早いもんだよ。…な?』
『……う…ん』
『じゃあ…、またな』
それでも私の涙は
止まらなかった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
笑顔で出掛けて行った凜の
真っ直ぐ伸びた背中を、
見送ったあの日から一年。
全然早く無かった。
凜に会いたくて
たまらなくて
何度も泣きそうになった。
私みたいに泣く程では
無かったけれど、
凜も同じ気持ち
だったんだね…。
