『……。』
…また…。
またあの時と同じ顔。
優しくて、
愛しい人を見る顔。
どうして…?
どうして私を
そんな顔で見るの…?
『そ、そういえばっ!
部活決めなきゃだね!』
ちょっと焦ったが、
私は必死で平常心を保った。
我ながら素晴らしい精神力。
『そうだな…。
灯梨は決めたのか?』
『うん!私はチアガールに入るの!
そうしたら、梓とか、
天佳とか、凜の応援
出来るでしょっ!?』
『……。』
あれ?今…凜の顔曇った?
『…いいんじゃん?』
『う、うん…。』
凜は喜んでくれると
思っていた私は
少しショックだった。
『じゃ、俺、部活あるから。』
凜が部屋を出た。
凜…、怒った?
『どうして…』
『…なんで俺の名前より先に
天佳と梓がでるんだよ…。』
