「あ、寿々ちゃんと澪ちゃん!
おはよー」

「あ、萌香ちゃん!
おはようございます」
「おーっす!」
あたしは病院に行く途中、2人に会った。
いい子だよなぁ、2人とも。
美人だしー♥

「司くん・・・ほんとかっこいいですよね」
「ほんとほんと!
いーよなぁ萌香は!
同居できて~」

寿々ちゃんと澪ちゃんはいつもあたしをうらやましがるけど・・・

司と同居できたところで何も起こんないし。

あたしには―――裕貴がいるし・・・。


「ゆーきッッッ!!
来たよー・・・
!?」


裕貴の病室から・・・笑い声がする。
女の人の声・・・。
裕貴の病室の戸からこっそり覗いた。

・・・かなりの美人。

「じゃー裕ちゃん、また明日来るわね」
「あぁ。さんきゅーな」


女の人が病室から出てきた。
・・・髪からいい香りがした。


「お、萌香!
よっ」
「ゆ・・・うき・・・」

何事も無かったかのように笑いかけてくる裕貴。
あたしは一生懸命笑顔をつくった。

・・・ぎこちない笑いがこんなに疲れるなんて。

もう・・・限界。


「ごめんね裕貴・・・今日はもう帰るね」
「え、なんで?
なんかあったか?」

心配してくれる裕貴。
・・・“裕貴が浮気したから”なんて言えな・・・


「・・・裕貴が浮気したから」


「・・・は・・・!?」

「じゃあね・・・お幸せに」
あたしはそれだけ言って帰ってきてしまった。