〔ちょっと待ってよモモ!!
あんた、先輩が好きなんじゃなかったの!?〕

〔先輩も好きだよ!!
だけど私―――わかんないの!!!〕


あたし達の熱演は何分も続いた。

ゆいちゃんが男の子ってわかってての演技は少し緊張する。


でも・・・信じられない。

こんなに可愛いのに。

こんなに綺麗なのに。


「お疲れ様、裕貴くん!」
「お、おい、人前でその呼び方はやめ・・・」
「あ・・・ごめん」
あたしったら、緊張してんじゃないよー。
「ゆ・・・ゆいちゃんってさー、ほんと可愛いよね!
あたしなんか比べ物にならな・・・」


あたしの話をさえぎり、人前にもかかわらず裕貴くんは・・・




あたしにそっと、キスしたんだ。




「・・・え・・・」
あたしの脳内は“?”でいっぱい。
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????????????????????????????????????????????」


「・・・可愛いなんて言うなよ」


「え・・・」



「“可愛い”って言ってくれんなら、“好き”って言ってくれたほうが100倍嬉しいんだけど」


え・・・?
どーゆーイミなの??




「まー、簡単に言うと、
・・・オレは萌香が、好きって訳だ」





・・・え・・・

ええええええ!!!???