「会えばいいと思う…」

結衣がそう言うと、二人はそれがどういう意味なのか、理解したようなしてないような顔をしていた。

「会えなくても、会えばいいと思う…」

もっと解りやすくと思って発した言葉は、またしても大きく軌道をずらした。

「神木さん、どういう意味?」

洋太が聞いた。

「分からない…」

「え?」

「そんなの、私だってわからないよ」

わがままにそう呟くと、菜緒にしてみれば全て帰結した。

「でも、そう思う」

菜緒にとっては、それこそが圭一の望む事のように感じたし、足りないピースは塗り潰してでも埋めるべきだとも思えた。

「無茶苦茶だな…」

洋太は、苦笑いをしてそれに応えると、呆れたふうにして、圭一に向いた。

「でも、そうしろよ」

それは、洋太から圭一に向けられた言葉だった。

「会いたいと思うなら会いに行けよ」

圭一にしてみれば、そんなの当然だともいいたげに、黙ってそれに応えた。