「店…長…」
「秋…弥…」



大きく目を見開くあたしの目の前には、ブーケ片手に少しだけ困ったような笑みを浮かべる店長。



「このブーケ…いろんな意味で重そうだし…落とすのはちょっとなぁ…って思って、つい取っちゃったんだけど…やっぱマズかった?」



「う~ん…落ちるよりは…」



「だよね。ってことで、はい、どうぞ。杏奈ちゃん。」



「あっ…」



あたしはニコッと微笑みながらブーケを差し出してくる店長からそれを受け取ると、



「彼…大好きな先生から貰ったこんな大事なモノ…もう放り投げちゃダメだよ。」



「大っ!?…あっ…うっ…あっ……はい。」



少しだけお花の潰れたブーケを見つめながらコクリと頷いた。